石造りは壊れない(The Stone Rosesの紹介)

私が一番好きなミュージシャンは Hardfloor だと、このブログにてご紹介しましたが、その次に敬愛するロックバンドはイギリスの The Stone Roses(ザ・ストーン・ローゼス)(以下、「ローゼズ」と略します)です。

ローゼズは1983年に結成され1996年に既に解散している古いバンドですから、若い方はご存じないかも知れません。かく言う私もローゼズについては1994年ぐらいに友人に教えてもらったことをきっかけに好きになったので、厳密にはリアルタイムで聴いていたわけではありませんでした。
何はともあれ、まずは彼らの曲「One Love」(1990年)をご紹介します。下記のリンク先のYouTubeで、動画内の「13. ONE LOVE」と書かれている所をクリックすると聴くことが可能です。

The Stone Roses – The Very Best of The Stone Roses | Full Album [YouTube]

一聴してすぐに、いかにもブリティッシュ・ロックって感じを受けますが、彼らの特徴はこの曲でも表れているように、とりわけ強いグルーヴ感と、上手いのか下手なのか分からないボーカルのイアン・ブラウンの歌声、そして弾きまくるギターにあるでしょう(ギターが弾きまくり過ぎだ、との批判もあるようです)。
元来は踊るための音楽であったロックが、1980年代後半から改めてダンス・ミュージックとしての機能性を再獲得していく時代の只中に、彼らのサウンドがあったんだろうと考えます。
実際、彼らが1stアルバム「The Stone Roses」(1989年)前にリリースしたシングル「Elephant Stone」(1988年。上記の動画の11曲目)は、New Orderのメンバーがプロデュースしており、そのキラキラしたダンス・ミュージックっぷりからしても、彼らをダンスの文脈の上で語ることは、大きく外していないんじゃないかな、と思っています。

そんなローゼズの曲で私が最も好きなのは「Fools Gold」(1989年。上記の動画の9曲目)です。
上で紹介した「One Love」と「Elephants Stone」から一転、ブルージーで土臭いグルーヴとカッティング・ワウ・ギターが最高の1曲です。10分近い長さがまったく苦になりません。いつまでも聴いていたいです。


この大名曲「Fools Gold」後の1994年に2ndアルバム「Second Coming」がリリースされます。
これは商業的には一定の成功を収めたものの、内容的に1stアルバムと比べてロック寄りに変化した音楽性により、評価が芳しくありませんでした。上で紹介した動画はベストアルバムのもので15曲が収録されていますが、確かに2ndアルバムから収録された曲は「Ten Story Love Song」、「Love Spreads」、「Begging You」、「Breaking Into Heaven」の4曲しかありません。このことからも2ndアルバムはファン受けが悪いことが見て取れます。
しかしながら、私は圧倒的に2ndアルバムの方を推します(ちなみに上記のYouTube動画の「BREAKING INTO HEAVEN」が2ndアルバムの1曲目です)。
より洗練されたリズムに加えて、1stアルバムの時以上に過剰に弾きまくるギターは、聴いていて陶酔するばかりで、まさにロックが持つダイナミズムと享楽性を厳然と備えた名盤だと、声を大にして評価したいのです。
いや、「ロックのなんたるか」をよく知らない私ですので、この言葉に説得力がないことは歯ぎしりしながらも素直に認めざるを得ませんが、それでも本当にこのアルバムは聴いていて「ロックだなぁ」と思うのです。

さて、ローゼズのメイン・フロントマンであったイアン・ブラウンは、ローゼズ解散以降からもそれなりにソロ活動をしていました。特にアルバム「The World Is Yours」(2007年)と「My Way」(2009年)は、大絶賛とまではいかないまでも、なかなかに良い仕上がりでした。

そして2012年、遂に仮ながらもローゼズを再結成しました。


上の動画では1stアルバム収録の「Waterfall」を演奏していますが、このイアン・ブラウンの不安定さったらありません。そして相変わらずカッコイイ。この仮再結成から3年たった今でも、私はローゼズの新譜が出ることを少しだけ期待しています。

ここからは私事で大いなる蛇足となりますが、家でホラー映画を見ていてあまりに驚いた拍子にテーブルの上のコップを倒し、そこに一緒に置いてあったローゼズのCDの上にコップの中のコーヒーを盛大にぶちまけてしまったことがありました。
黒くてシワシワになったCDジャケットを眺め、「CD本体はちゃんと聴けるから大丈夫」と一生懸命に自分をなだめたものの、どうしても耐えられずに泣きながら新しく買い直したことを覚えています。
そうこれはまだCDが宝物だった、古い時代のお話しです。


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