ゴアトランスの大成者でもありながら異端でもある Juno Reactor

今回はイギリスのゴアトランスの第一人者Juno Reactor(ジュノ・リアクター) について語ります。

私が最初に Juno Reactor を知ったのは、ドイツのレーベル NOVAMUTE からリリースされた名曲をコンパイルしたアルバム「NOVAMUTE Compilaton 01」(1995年)に収録されていた「High Energy Protons (Original Mix)」です。この曲は当時あまりメジャーではなかったゴア・トランスというスタイルを一気に世に広めた伝説の名曲でした(期を同じくして頭角を現したデンマークのKOXBOX(コックスボックス)も、名曲「ACID Vol.3」をもって同シーンを盛り上げた立役者でした)。


以降、1stアルバム「Transmissions」(1993年)と、メジャー・シーンでもヒットした「Guardian Angel」を収録した3rdアルバム「Beyond The Infinite」(1995年)をボンヤリと追いかけていたのですが、私が決定的に Juno Reactor の大ファンになったきっかけは、4thアルバム「Bible Of Dreams」(1997年)に収録されていた世紀の大名曲「God is God」を聴いたことでした。そのグルーヴとサウンドはまさに至高! 海原雄山でさえ抗えないこの大傑作は、そのPVもまた凄まじいものでした。意味が全く分からないモチーフが連続する映像は、観る者を怖がらせたいのか、笑わせたいのか判然としませんが、少なくとも私に対しては両方成功です。泣きたい夜には、このPVを観て脳内を強制混乱させればいいと思います。


続く5thアルバム「Shango」(2000年)では、「Masters of the Universe」と、映画「レジェンド・オブ・メキシコ」でも使用されたフラメンコ・ギターのフレーズが印象的な「Pistolero」が大好きです。


6thアルバム「Labyrinth」(2004年)では、映画「マトリックス」で使われた「Mona Lisa Overdrive」が有名ですが、私個人は大仰なサウンドをぶちかます「Wardogs」の方が好きです。


7thアルバム「Gods & Monsters」では、はっちゃけた曲調の「Inca Steppa」が大好きですが、最後に収録されていた「Pretty Girl」の遙か斜め上にスタイルを変えたムーディーなポップス曲には大変驚かされたのと同時に大いに泣かされました。意表を突く名曲です。


2015年7月時点最新のアルバム「The Golden Sun Of The Great East」(2013年)は全体的に「まさにJuno Reactor」といった感じの出来映えでした。これに収録されている「Final Frontier」は、自動車メーカーのトヨタの企業イメージPVでも使用されています。

とてもかっこよくて素晴らしいです。なんだか90年代を思い出させる雰囲気がある映像だと思います。
あと、これを作ったトヨタの意図は多分「我が社はこんなに技術力に自信があるぜ」ということなのでしょうが、この映像を見た人にそれはちゃんと伝わっているのでしょうか? 勝手ながら少々不安になりますが、個人的にはがっつりイメージ上がったよ、トヨタ。

最後にまとめますと、Juno Reactor の特徴は様々な音楽様式の取り込み方の貪欲さと、曲構成の多様さだと言えるでしょう。そのスタイルはゴア・トランスやサイケデリック・トランスの大成者でありながら異端でもあると思います。
最新アルバム「The Golden Sun Of The Great East」ではそのスタイルの集大成を披露せしめた彼の、次なる新譜が楽しみで仕方ありません。

ちなみに「The Golden Sun Of The Great East」のリミックスアルバム「The Golden Sun Remixed」が2015年にリリースされているのですが、これに収録されている「Guillotine (Bliss Remix)」が珠玉の出来です。オリジナルを越えるリミックス作だと思います。特に終盤のアシッド・フレーズは、さしもの山岡士郎も思わず新聞社を辞めちゃうくらいのインパクトを持っています。Soundcloudで公開されているその曲を下に貼り付けていますので、是非聴いてみてください。


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